確か研修医のとき、
上部消化管内視鏡→GF
下部消化管内視鏡→CF
とよんでました。あれってローカルだったのか、いまさらながら疑問に思っています。
ともあれ、
小児の現場でもときどきあるのが、上部消化管出血患者に対して
「今、内視鏡必要?」
という疑問です。
研修医のときや救命センターでの研修では、
救急医が内視鏡できたりしたので救急外来で止血したり、
そうでなくてもアクティブな消化器内科医が夜中でもすぐ内視鏡してくれたり、
かなり恵まれていました。
しかしながら、小児の内視鏡となると、かなり専門性が高くなり、
もちろん小児救急医は内視鏡しないし、
小児消化器科は緊急の手技なんて多くないから、
「翌日まで待てない?」
という会話になることがままあります。
さらに海外にきてからというもののもちろんERの医者が内視鏡することなんてないので、
人をよんで物品セットアップしてうんたらかんたらしていると、
「明日でいい?」
となることを時折みかけ、ちょっと衝撃を受けたこともあります。
そんな日常の疑問に答えようとした研究はいくつもありますが、
結構その重症度の扱いとタイムフレームの定義の仕方が難しいです。
今回の論文はHongkongからのRandomised Trialで、
「比較的リスクの高い上部消化管出血で、消化器内科コンサルトから6時間以内にやった上部消化管内視鏡は6-24時間にやったのと比べていいのか?」
ってやつです。
著者の結論から言うと、
「かわらん」
なんですが、
これまあいろいろとやっぱり難しくって、
- 「コンサルトから6時間以内」の群でも、来院から内視鏡までの中央値10時間くらい、「コンサルトから6-24時間」の群では24時間なので、いずれにしても緊急の処置とは言いづらい
- 重症度が低い(蘇生後に低血圧だった症例は除外、ITTでコントロール群の6%が6時間以内に内視鏡を受けている、ICU入室は2%以下、輸血必要量が中央値で2.5Uくらい)
なので、これから言える結論は
「ongoingの蘇生が必要であれば今いけ、蘇生に反応すれば24時間まてるかも?」
くらいかなと思います。
小児患者の場合さらに
- 止血手技の頻度が少ない
- 上部消化管出血の背景が成人と異なることが多い
ということから、その議論を結論のないものにしそうですが、
いかにその時のリソースを使えるかなんですかね