https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0025619620301506
昨今になりGoal of Careという言葉のほうをよく見かけるようになりました。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMcpc2002419
正確には、
「明確なGoalsはEnd of life careの質をよくする」
ってことなんですが、
冒頭の論文では実際その会話を患者・家族とする際のスキルとして3step approachを提唱しています。
Stage 1: Sharing knowledge
Stage 2: Clarifying GOC
Stage 3: Negotiating treatment options
Jacobsenらhttps://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29305320/
は2018年に同じような3step approachを提唱していますが、これらはより
「どこに・どのように会話の着地点を置くか」
に焦点があるように思われます。
それと比較し今回のLu and Nakgawaはより段階的なアプローチ、
「情報の共有」と「患者のゴールを明確にする」
ことをより強調しています。
お楽しみください。
個人的には今回のLu and Nakagawaの 3 stage approachは日本にはよくフィットするのではないかと思います。
理由としては、とくにStage1で
「Share the Prognosis」
が強調されているからです。
日本の小児集中治療の現場において、
GOCの会話が進まない理由の大きなひとつとして
「医療者が明確な予後予測を伝えていない」
ことがあると思っています (エビデンスはありまてん)。
そもそも、このapproachの最初の時点で躓いていることが多いから、
そのあとの会話もなんとなくの話になり、
踏ん切りがつかず、、
という場面や話をしばしば見聞きします。
確かに、医者の見立ての予後予測なんで外れることはあります。
ただ、経験、エビデンス、その時の状況から、
どのような経過を患者がたどるかは伝えられるし、
その会話にあたる医師はそれが伝えられる(メンタル・コミュニケーション双方における)スキルを持ち合わせる必要があります。
悲しいニュースを伝えるのは、伝える側にも大きなストレスがかかります。
ただし、そのストレスから逃げていては、
苦しんでいるこどもやその家族を、より苦しめる可能性が大いにあります。
その子のために、家族のために、事実を明確に伝え、
そのこのゴールを、真摯に検討できるようになりたいものです。