こちらから。https://jamanetwork.com/journals/jamapediatrics/fullarticle/2776777
新生児期小児期のECMOは成人と比較して頸部のカニュレーションの頻度が高く、
しかも頸動脈カニュレーションしたあとは結紮してしまうことも多いので、
神経学的な発達が遅れることは過去にも報告があり。
それに加えていずれにしてもECMO後の小児には読書の能力やコミュニケーション、行動の問題が伴うことが多く、学校で困ることもでてくるので、フォローが必要なんじゃないか、
それにはECMOセンターからスクリーニングを開始し、リハビリやフォローアップを地元の小児科で行う、もしくはテレヘルスでフォローアップしたほうがいいんじゃないか、
っていう結論。
もうECMOがいいとか悪いとかいう話はあんまりみなくなった気がする。
必要なときは必要だし。
そこじゃなくてもっと別のところでECMOの成績をよくしよう、成人や新生児のエビデンス使ってるだけじゃなくて小児期でのエビデンスをもっとだしていかなきゃってメッセージ。
症例数がたくさんあるから見えるデータと臨床とそこから生まれるメッセージ。
集中治療学会の配信を先日見たけど、
日本の小児ECMOって各地に散らかっていて、こらあかんなあって関西人じゃないのであかんなあって言葉が出てきちゃうような感じ。
ECMOって、通常の重症管理から搬送とその鑑別診断と、その後の移植やpalliative careを見越すなんかIntensivistとIntensive care nurseと病院の内科外科全体の力量が試されるから個人的には好きなんだけど、
回すだけに集中すると本当に大事なところの視点が抜けちゃうんだよな
また、
このJAMAの論文のタイトルをみて、
内容を読む小児科医がどれくらいいるのか、
内容をよんだとしてピンとくる小児科医がどれくらいいるのか、
気になるところではある。
ECMOの啓発はコロナでだいぶされた気がするけど、(幸運にも)小児分野ではそうでもなかったから、認知としてはまだまだなんだろうな
これってどうすべきなんだろう。
ひとつの形は愛知みたいな集約・搬送モデルなんだろうと思う。
いきなり日本全体では難しいから、
地域で啓発する。地域で連絡をとる。地域で症例を運んで集める。日本で発表する。
(その「地域」は施設とか地理とかでだいぶ規模が変わりそうでそれを受け入れないといけない)
そして発表の場はできれば小児科学会のほうがいいのかもしれない。
日本で重症小児の初期診療にあたるのは小児科医だから、集中治療学会で話をしても、実際診療をする人たちはきいてない(自分も小児科学会へ参加する意欲を失っているけど)(そしてこれは終末期も同様)
「地域での活動」、「適切な場での報告」、「それができる臨床とデータ管理の土壌の構築」
それができる施設で、ECMOやっていくべきなんだと思う
そして目の前でECMOが回ったとき、この子をどう生かすかだけじゃなくで、
どうフォローしていくかを考えていかなきゃならん
段々と長い視野にしていかないかん
小児医療の本質として、できるだけ未来をみらんと