https://jamanetwork.com/journals/jamapediatrics/fullarticle/2772182?resultClick=1
JAMA pediatricsから。CCRのニュースレターにも紹介されてしまった。
いわゆるPlasmalyte(Na 140, K5, 5%glu)が低張液(Na 80, K20, 5%glu)に比べて電解質異常が多いという指摘の論文。
小児の輸液は低張液を推奨しなくなってからというもののたぶん10年くらい経つのか。
自分が卒業した2009年前後に小児入院患者に対する低張液の維持液としての使用が低Na血症を起こす報告や研究がされ(以下に羅列)、等張液を使用するながれとなり、
自分が小児科トレーニングを始めた2011年くらいには小児の維持液には等張液、が標準治療とされてたような気がする。
(自分がいた小児科ではソリタ〇号って便利な輸液が使えたせいか、まだその認識がなかったせいか、維持液はほとんど低張液だったけど)
確か2010年か2011年の集中治療学会の、勉強する時間がなかったひとへみたいな特集の小児領域で最初に紹介されたのが等張液を維持輸液にはしようすべきだというやつだった。
そしてPICUトレーニングを始めた2014年、東京に移動したら維持液が等張液で、
無駄に感動したのを覚えている。
(これがえびでんすべーすとめでぃすんやー みたいな年ごろだった)
オーストラリアに来てからも維持輸液はほぼ全部等張液。新生児は例外あり。
この論文は、それをまたひっくり返そうとしているのか。これでひっくりかえるのか。
そうじゃないような気がする。
こんかいのこの論文は電解質異常を
NaとKのみで語っており、さらに結果からは低Kの問題がメイン。
そして個人的には
- Clを含まないと輸液の話はできない。
- post hocで低張液群のAcidosisが多いのを無視できない。
- 生理的にSIGゼロの輸液を維持に使用するのに抵抗がある。
- Kは大事な要素だし、補正とフォローが面倒なのはわかる。
ただまあ低かったら補えばいいやんっていっちゃいそうな自分がいる。
ので、この論文でなにかを変えることはないと思っている
ただ、維持液に等張液を使い続けるのであればそれなりの理由付けをできるようにしておかないとな、というところはある。
ふしぎなのがなんで低張液群で低Naが起きなかったのか
うーん、よくわからん
ただまあ、
違う患者群に、一律に同じ輸液でいくというのが、そもそも無理があるんだろうな
普通に考えて。
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