概要
- SvO2とは、肺動脈血の酸素飽和度である
- 基本的には肺動脈カテーテルが必要
- 血液が全身を環流し、酸素消費量と酸素供給の最終結果である
基本事項
- 酸素供給 DO2=
(心拍出量 COx Hemoglobin x SpO2 x 1.34(pHによって多少変動))+(PaO2 x 0.003)
- SvO2 = 混合静脈血 Mixed venous oxygen saturation
- 血液サンプルは肺動脈カテーテルから採取
- 正常値 SvO2 = 65-70%
- 通常SvO2 >ScvO2
(Central venous oxygen saturation: SVCからの血流を多く含む)
(SvO2<ScvO2になりえる状況 → 全身麻酔下、重症頭部外傷、ショック) - 低いSvO2→酸素消費増多 and/or 酸素供給低下
- SvO2 50%はPvO2 26mmHgに相当→Critical
- SvO2>80%→
- high flow states/ 微小循環シャント: sepsis, hyperthyroidism, 重症肝不全
- 細胞毒性組織酸素代謝失調: ミトコンドリア異常症、シアン中毒、sepsis
- L→Rシャント
臨床的な利点
- 末梢循環の指標
(多臓器不全患者の低いSvO2→ 心拍出量を増やすためにinotorpesを始めようかな) - そのトレンドで治療反応を評価
- その場で数字が得られる
不利な点
- 肺動脈カテーテルが必要→小児ではまずない、ScvO2で代用がほとんど
- 肺動脈カテーテルの合併症
- 重症患者でも高値になりうる
- RCTでSvO2モニタリングは利点なしとされている
解釈
高いSvO2
- 酸素供給の増多: FIO2↑、高酸素血症、高圧酸素
- 酸素需要の低下:低体温、麻酔、筋弛緩
- High flow states: Sepsis、甲状腺機能亢進、重症肝不全
低いSvO2
- 酸素供給の低下: 貧血、SaO2↓、循環不全
- 酸素需要の増多: 高体温、シバリング、疼痛、けいれん
循環不全があるにも関わらずSvO2が高い場合
- 微小循環シャント (sepsis)
- 細胞毒性低酸素症(シアン中毒)
- 血流分布の異常