豪州と日本のはざまで小児集中治療を学ぶ

日本から豪州に渡ったPICUフェローである管理人が小児集中治療に関連するあれこれを勝手につぶやいているブログです。

【AMC clinical】受験準備開始から受験までの流れとやったこと [前半]

  前回AMCの実際の試験の内容を紹介しました。

k-doc.hatenablog.com

 

今回は、実際に試験準備から試験までの経緯を紹介し、

こうやったら落ちたよ、っていうのをシェアしようと思います。

この試験はトリッキーな試験ではありますが、きちんと準備したら合格するものと思っています。

 

1. 時間経過

こちらが自分が受験準備開始から試験に至るまでの経緯です。

2021年10月 受験を決める
2021年10月中旬〜2022年1月 ARIMGSASという大手AMC対策講座の一つのオンライン対策コースの受講開始

その間追加の半日〜3日コースを計5−6個受講

2021年12月 AMC clinical の受験日決定。2022年3月末のFace to Faceになる。
2022年2月 AMC clinicalの受験日延期が決定。2022年4月末になる。

2022年4月 直前の1週間コースを受講し、Face to faceの模擬試験を2回受講。
2022年4月末 受験
2022年5月 結果発表。

 

という感じです。

 

2. 準備コースの受講

いくつか準備コースがあって、自分の周りでメジャーだったのはARIMGSAS(通称アランロバーツ)とHealでした。

ARIMGSAS - Prepares IMGs for AMC MCQ/Clinical exams-CPD Points

HEAL - HEAL / VMPF

Healの方が知っている人たちで受講者は多かったのですが、

当時コロナの影響でHealの講座は中止になっており、オンラインに切り替えていてしかもちょうど自分の日程とあったのがARIMGSASだったのでそちらにしました。

12週間のAfter hoursコースというやつで、平日の夜8時から2時間と、週末土日に6時間ずつという内容でした。

費用は4300AUDくらい。40万円くらいです。高いでしょ。

 

このコースの合う合わないがまずは効いてきます。

たいていこういったコースの講師陣というのは受験直後の合格者たちが多く、その人たちがバイトとしてやっていることが多いみたいです。

その中にはカリスマ講師的な存在ももちろんいて、長期に教えていて上手な人は上手なんですが、

 

ダメな人はやっぱりダメなんです。

 

自分の場合は明らかに産婦と精神科の知識が足りず(最終的にもここのスコアが全然取れなかった)、ここをしっかり抑えたかったのだけれど、

アランロバーツの産婦精神科の講師と人間的に合わなかったは痛かった。

 

人間的にもスキル的にも優れた講師がいて、その人には最後の最後まで世話になりました。
合格できずに申し訳ない、、、

 

3. 勉強時間

勉強時間はログをつけていたので、大体こんな感じでした。色分けがありますが、全てAMC対策の時間です。

AMC clinical 勉強時間 前半

AMC clinica 勉強時間 後半

 

二月に明らかな落ち込みがあります。これはシフトの変化と大学院の影響でした。

トータルで800時間程度でした。目標は1000時間だったんですが。

フルタイムで働きながらだと、月100時間前後、これくらいが妥当かなという印象でした。

これでもかなり家族には犠牲を払ってもらっていたので。申し訳ない。

 

この試験、勉強時間だけでどれくらいやればというのはなかなか言い難いなと思いました。

理由はいくつかあるのですが、

1、オーストラリアの制度を知っていると有利

2、ある分野の専門家は有利(内科、救急、オーストラリアで働いているGP、小児科、産婦、精神)

です。

つまり、必要な勉強時間は、受験生のバックグラウンドに大きく異なります。

例えば自分の場合、小児の勉強に割いた時間は一番少ないのですが、

出題された小児分野は全てPassでした。

 

精神科、産婦人科領域は出題数も多いので、そこをバックグラウンドにやっている人がうらやましかったのは事実です。

また、同じコースの受講生にいたGPが、オーストラリアの制度に詳しかったのも印象的でした。

 

有利に働くのは、

  • オーストラリアでの臨床経験
  • 幅広い疾患をみる機会 or 精神科 or 産婦人科の知識が豊富

かなあと、個人的には思いました。

 

4. 試験申し込みと受験日の決定

これが難しくて面倒でした。

特に私の時はコロナで試験がキャンセルにした後だったので、

受験さえできずに待っていた人たちがたくさんいました。

そうでなくても、コロナの前から試験の予約開始の日は

  • 朝からコンピュータやデバイスを複数台準備し、
  • 時間になったらひたすらログインを試みて、
  • そしてたいていサーバーが落ちて、
  • 復旧をひたすら待ち、
  • 復旧したタイミングで再び予約を試み、
  • 再度サーバーが落ちて、
  • 気づいた時にはもう席が空いていない・・・

ということも友人には起きていました。

私も朝から3台のデバイスと家族と友人を動員、

サーバーが落ちるのと復旧するのを繰り返しながらどうにか予約ゲットにこじつけました。

 

・・・まあそれでも結局日程変わってしまったんですが

ただ、とれなかった人たちもいるなかで、

受験できるということができたのはラッキーでした(ただまあ個人的にはのちのち受験自体が不要になってしまったので余計なお金と時間を費やしたのは事実)。

 

受講金額は3500 AUD

 

先ほどの試験準備コースと合わせてすでに8000AUDに達しているという非情ぶり。

 

この膨大な時間とお金が無駄になった…と思うとなかなか気分が上がらないところではありますが、

この期間にいろいろと学びもあったので、

高校のときの校長の言葉だった

 

「姑息な無駄は無駄になり、壮大な無駄は財産になる」

 

という言葉を胸に馳せつつ、姑息ではなかった思いたい、なあ。

 

 

 

それにしても姑息であったと認めざるを得ない部分は、多々ある。

 

残念ながら。

 

 

後半では試験直前にやったことと結局費やした費用を紹介します。自分でまだ計算してもない。恐ろしや。