豪州と日本のはざまで小児集中治療を学ぶ

日本から豪州に渡ったPICUフェローである管理人が小児集中治療に関連するあれこれを勝手につぶやいているブログです。

【AMC clinical】受験準備開始から受験までの流れとやったこと[後半]

前半はこちら。受験日が決定したところまででした。

k-doc.hatenablog.com

 

1. 勉強のリソース

受験日が決定したあたりから勉強の幅を増やしていきました。ここで一旦、どんな勉強材料があるかを紹介しておきます。

 

実は、AMCのホームページにはこんなので勉強しなさいよ、っていうのが掲載されています。

Suggested reading material for examination preparation

ただご覧の通り、clinicalに関しては結構曖昧で、

全部やると砂漠の中を歩いているみたいになりそうだったので、いろんな情報を元にやった感じでした。

予備校の資料

これは対策コースでやっていたものです。授業で扱ったスライドがそのままオンラインでダウンロードできるので、それを資料として勉強するという感じ。

リコール

いわゆる、受験者の情報をもとに有志が構成した過去問集。受験者たちの記憶を元に作られる「リコール」です。

これがたくさんあって、分野ごとに全てを網羅してまとめた強者は過去に何人かおり、その人の名前がついた過去問集がネットに落ちています(Karen's noteとか、Marwanとか言われる)。

対策コースに行かない人は大概これでやるらしい。大体1000問くらいある。

handbook

これはAMCが販売している過去問集です。

こちらが参考。

これがなんとまあ10年くらいアップデートされていないらしい。それでも解説が載っているから、なんとなくどんなことが試験で求められているかがわかるということで、1回は必ずやれ、ということを言われます。

ただこの過去問集、すごいページ数で一回やった程度ではとても覚えきれない。

「これはHandbook caseだね」って誰かと勉強している時に言われても、

「は?まじ?」

くらいのリアクションを最後まで自分はしていました。

「これはhandbookの●●ページの問題だね」

くらい言えるようになると合格はかなり近そうです。

教科書

特に重要な教科書は2つ。

Murtagh とTalley and O'Connor's

両方ともよく書かれた教科書です。

Murtagh

これははGPの成書版のほか、handbook版、患者説明、診断と色々とバリエーションがあり、それぞれ読んでておもしろかったです。

正直、時間があればこれで1から勉強したいなと思えるくらい。

Murtagh General Practice, 8th Edition : Murtagh M.D., John, Rosenblatt MBBS FRACGP DipObstRCOG GradDipAppSci, Jill, Murtagh MBBS FRACGP, Clare, Coleman MBBS FRACGP MPH, Justin: Amazon.com.au: Books

 

Tally and O `Connor's

身体診察の教科書の王道的位置づけで、写真もそこそこついてるし、詳細が素晴らしいので、これ通りに一応身体診察はやればいいということにはなっている。ただ、本番で全てやろうとすると時間がなくなるので、考え物ではある。

Talley and O'Connor's Clinical Examination - 2- Volume Ser - 9th Edition

 

Youtube

このご時世これを使わない手はないですね。

ランダムにも使えますが、自分が好きだったのはこの二つ。

①Geeky Medics

https://www.youtube.com/c/Geekymedics
イギリスの医学生たちが中心で立ち上げたサイトのYoutube 版。ブログには関連する事項が詳細に書かれており、そちらも参考になる。
短い時間で身体診察の流れを実際に見せてくれるのが魅力。
時々too shortなので、付け足しが必要であることもあるけど、よくまとまっている。


②Physiotutors

https://www.youtube.com/c/Physiotutors
こちらは理学療法士のサイト。
特に四肢関節系の身体診察が豊富でしかもエビデンスまでつけてくる。
診察の詳細を抑えたいとき、もしくは大まかなところを見るのにも適している。


Study partner

たぶんこれが一番大事な気がする。
要は勉強仲間を作って、お互いに問題を出し合ってやっていくって感じ。
自分のカバーしていないところをカバーできるし、
相手から学ぶことができる。

実は自分はこれがあんまりできなかったんです。
パートナーはいたんですが、お互いの時間が合わずコミットできなかった。
そのパートナーは複数人他のパートナーとやっててコンスタントにできてたみたいで、
そいつは合格しました(おめでとう!)

繰り返し、これは必須だと思います。なかなか働きながらだと難しいところはありますが、
ぜひ良い勉強仲間を見つけてそれを継続してください。
めっちゃ大事です。

自分の場合は家族を一番使いました(妻をひたすら診察しまくった)。
でもまあやっぱり同じ試験を受験する予定が相手の方が色々フィードバックもあっていいですよね。

 

 

自分の勉強した内容は以上の通りです。

直前に模試を受けましたが、これはこれでなんとなく役にはたった気はします。

たいてい直近に出た問題とか分野を中心にやってくれるので。

 

まあ、いくら行っても結局は落ちたやつの言うことなのでアレなんですが、

これだと足りなかったよって受け取ってもらえるといいかなと思います。