どうも僕です。
6連勤の6日目です。ここまでくると疲れているけど、その先の休みが目の前に見えるので、ちょっとうきうきしてきます。
こちらにきてから2施設目と、そんなにひろい経験はないのですが、
もちろん施設によって勤務形態、シフトの入り方が異なります。
1.小児病院のICUの例
基本はどっちも同じで、8時と20時に引継ぎがある2交代制。
7連日勤で7日休み、
7連夜勤で7日休み、
の繰り返しでした。
オーストラリアは勤務時間については厳格で、決められた勤務時間(1週間につき40時間)を超えると、結構な超勤が上乗せされます。
1日の勤務時間は、引継ぎも含め12.5時間、
それが7日で12.5時間x7日=87.5時間/週
その後7日休みなので2週間で87.5時間、んで7.5時間/週は超勤がつく感じでした。
勤務時間についてはかなり厳格で、
勤務が引継ぎが終わってからカルテ書いてたりするとむしろ怒られる感じで、
コンサルタントとかもかなり厳格に、さっそうと帰っていく感じでした。
この勤務、日本の当直制と比較するとすごくいいように見えますが、
実際すごくいいです。
7日休みなので長期休みでないのに旅行いけちゃいます(preコロナの話)。
これがあるから自分はMPH行けてる感じです。
ただ、シフトに入っている間の体力の削られ方はかなりのものです。
特に7連夜勤の5日目のだるさと精神的な
「あと3日ある」感
は、結構きます。
以前は他の施設でも7連夜勤とかもっと長い連勤ともっと長い休みを取っていたところもあったとのことですが、
このスタイルは安全面の観点から減少してきており、
連続夜勤の数は3-4まで、とルールを設定する施設が増えているようです。
2.総合病院の成人ICUの例
今のシフトは、6連勤で
3日勤→3夜勤→6日休み
の繰り返しになっています。
ここのシフトの特徴としては、必ず下っ端のオンコールがおり、勤務予定の誰かが来れなくなった場合に電話かかってきて、その分をカバーするというバックアップ体制をとっています。
それで勤務時間の足りないところを埋め合わせしている感じでもあります。
これは結構いいです。少なくとも7連夜勤よりはいいです。
また、日勤から必ず始められるので、
- 日勤帯の教育・レクチャーの機会を失うことが減らせる
- 患者の把握ができる
- 日勤から夜勤やの切り替えのところでしっかり睡眠時間を補える
というメリットを感じています。
3連夜勤は、もちろん内容にもよりますが、元気に乗り越えられることが多いと思います。
ただ、ふしぎなことに(?)
このICUは結構コンサルタントが遅くまで残っています。
これはなんですかね、各施設の文化の違い、といったところでしょうか。
大きいユニットで確かに忙しいのですが、
仕事におされて引継ぎが始まる時間もかなりまちまちになりがちで、
特に日勤から夜勤の引継ぎ開始時間は容易にずれてます。
3.日本への適応
私が日本で勤務していた施設は当直制でした。
その勤務体系は日勤に人が多く、さらに長時間働くため、
人数が日中割けるという意味では充実するので楽ですし、
トレーニングという意味では長い時間病院にいるのでいいのかもしれません。
その一方で、
やはり救命の現場で24時間以上連続で勤務するリスクは避けなければならないと思いますし、
そもそも超勤が個人の善意の上になりたっていることも少なくないため、
持続可能性という意味からは疑問がでます。
さらには臨床に割く時間が必然的に長くなってしまい、
教育の準備・実施時間が勤務時間外に追いやられる、
十分な時間が研究活動に割けない等々、
臨床外で組織を伸ばしていくための時間が無くなってしまうので結局は利益が少なくなってしまいます。
そして家族との時間や休息の時間を失います。
もし自分が日本に帰ったら、
完全にオーストラリアのやり方をまねようとは思いません。
しかし、2点、変えなきゃいけないと思うことがあります。それは、
- 勤務者の安全と健康が保たれること
- 教育や研究が時間外に追いやられないこと
です。
どのように達成していくか具体案はありません。
ただこれがやれる施設はいずれにしても飛躍していけるんじゃないかなと、
期待してはいるところです。