SCCMから下記の記事が更新されました。
要点としては、
- 各州のCOVID-19のデータを確認し、症例がいつ出現するかを予測するのに役立てよう。
- 広く鑑別診断を行い、重要な指標として浮上している心臓マーカー(NT-proBNP、トロポニン)や炎症性マーカー(フェリチン、CRP)には細心の注意を払おう。
- COVID-19陽性の既往歴やウイルスへの曝露の可能性を考慮しよう。抗体検査は役に立たないかもしれません。
- この疾患は非常に稀な疾患であることを念頭に置き、診療にあたる際は同様の症状を呈する多くの疾患の評価を怠らないようにしよう。
- ガイドラインを参考にしよう。
という感じです。
欧米では成人のCOVI19新規感染者数がピークを越えて、
その数週間後から小児の川崎病類縁疾患が増加しています。
当初欧州ではPIMS-TS(Paediatric multisystem inflammatory syndrome temporally associated with COVID-19)という名称で警笛はならされました。
アメリカではMIS-C(Multisystem Inflammatory Syndrome in Children (MIS-C) Associated with COVID-19)というみたいです。
「・・・どうでもいい」
と思うかもしれませんが、
まあ確かに名称ってその疾患概念を反映し、
かつ
共通言語を使っての会話
ってのはいろいろ物事を円滑にする効果があるので、
まあ、
たしかに
「どちらでもいいからひとつにしてくれ」
ってのは思います。
そもそも、川崎病という症候群は日本にダントツに多く、
日本で小児科医をしているとツキイチはお目にかかるのですが、
欧米ではその数は非常に少ないのです。
なので私もこちらで、
「川崎病みたことあるよ」
っていうと、同僚は
「まじで!?」
ってめっちゃ驚きます。
日本ではまだ川崎病と診断した例でCOVID陽性は報告されておらず、
検査も全例にしているわけではないと思いますが、
全例検査やればそれだけで有名雑誌に出せるんじゃないかと思ったり。
ちなみにオーストラリアもおりません。
不思議ですね。
このコロナウイルス感染、
BCG接種者のメリットの話(まだ調査中)、東アジア特に日本の感染率/死亡率の低さ、
そして今回の炎症性症候群。
川崎病の副項目としてのBCG接種部位の発赤、とかありますが、
なにか関係していそうで、興味深いところではあります。